ドラゴンズのエースは中田になった

今年の日本シリーズ中日ファンの私としては是非とも日本一になって欲しいのだが、ここまで1勝1敗。うまく札幌での試合を乗り切ったと思う。
その1、2戦だが、中日の先発は川上、中田の順番だった。
一方の日ハムはダルビッシュ、グリン。
今シーズンのダルビッシュを見ていると、これはなかなか打つのが難しい。実際、初戦では試合途中、あの野村克也でさえ「攻略方法はない」と断言している。そういう相手に中日は川上をぶつけた。当然、メディアは「エース対決」と評したわけだが、実は落合監督は投手陣の軸を中田と考えていたのではないかと思う。
川上は昨年の日本シリーズでは初戦で勝ったが5戦目は負け投手。とはいえ自他ともに認める中日の絶対的なエースとして今シーズンに突入した。しかし安定感はイマイチで勝ち星では中田が上回っている。
その中田も決して安定感のあるタイプではないが、その球威は図抜けている。落合監督は中田のことを「暴れ馬」と評しているが、確かに中田が投げる姿を見ていると、ものすごく馬力を感じるし、肩で息をしている姿は馬がフガフガしながら息をしているかのようである。
その「暴れ馬」というネーミングがまた抜群だ。打者からしてみれば、球威のある荒れ球というのはやっかいなはずで、マスコミを通じて「暴れ馬」というイメージを刷り込まれた打者は、打席に立つ時点で情報戦に負けている。

落合監督クライマックスシリーズ阪神戦で川上、中田、巨人戦では小笠原、川上、中田の順で先発させている。もちろん川上もものすごくいい投球をしているしが、日本シリーズにおいてダルビッシュと今シーズンの川上の力関係を比較すると若干分が悪い。そこで、ある程度負けることも仕方がないと考えた上で川上を先発させたのではないだろうか。
ここでもし勝てば「やっぱりエースだ」と称えることができる。川上としてもエースのプライドを再確認できることができるだろう。しかし、もし負けても2戦目は中田で取れるはずだと考えたはずだ。この順番がかわった場合、ダルビッシュ−中田、グリン−川上となるわけだが、これだと連敗してしまう可能性が出てくる。落合監督としては連敗だけは避けたいと考えたはずで、そうなると確率的にダルビッシュ−中田の対戦を避けた方が得と判断したと思うのである。
しかもこの判断は結果的に非常にうまくいった。確かに川上はセギノールに昨年同様に一発を浴びて負けてしまったが、その一発以降を完璧に抑えた。日ハム打線は点火しないまま中田が登板、素晴らしい投球で再び日ハム打線を沈黙させて名古屋へ帰ることに成功した。
というわけで、中日にとって川上が勝てなかったことでベストではないが、ベターな結果にはなったと思う。

と、こう考えていくと今シリーズの中日投手陣の軸は中田であることが見えてくる。つまり実質的にエースが交代したのである。
私は落合監督が中田に中日のエース番号である「20」を与えたとき、「どうしてだろう」と実は思った。この時点で中田はそこまでの投手であるようには見えず、監督的には中日のエース番号をあまり重要視していない、どうでもいいものと考えているのかとも思った。
しかしそうではなく、中田は確実に中日のエースになると見込んでいたからこその20だったのだという気がしてきた。
「平成の川上哲治」こと落合監督恐るべし。

そこで本日の中日の先発である。
マスコミは朝倉と小笠原ということで割れているようだが、朝倉予想の方が多いようだ。
落合監督はどうでるのか。
私は小笠原だと思う。